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「神の木に会う 巨樹からのメッセージ 描く」を観て

NHKのBSで、「神様の木に会う 巨樹からのメッセージ 描く」
というドキュメンタリー番組をやっていました。
以前放送したものの短縮バージョンでしたが、見応えがありました。

そこで「見習いたい!」と思ったことがあります。
「描く」人、西田俊英さんの、
森の空気までをも描き切る渾身の筆先です。

日本画家であり武蔵野美術大学の教授でもある西田さんが、
70歳を目前にして屋久杉を描くため、
大学の方は休職して1ヶ月間屋久島に滞在します。
描こうとしているのは「三穂野杉」。
彼は森に分け入り、直接屋久杉に触れ、
夜の姿、昼の姿を何枚も何枚もスケッチしていきます。

この三穂野杉、
縄文杉のように、樹齢などは定かでないけれど、
森の中での存在感はすごい。
幹回りは10m以上、直径3m以上。
両手を広げ、抱きつくように木肌に触れる西田さんが、
小さく小さく見えます。

自然の中に生きる三穂野杉の
その生命力をひとしずくも漏らさず
紙の上に伝えていこうとする西田さん。
ゴツゴツとした木肌そのままに、
荒々しいタッチで素描を繰り返します。

そして、1年後の東京。
西田さんはたくさんのスケッチをもとに
大きな作品を完成させるべく、筆を取りました。
天井まで壁一面に貼り付けた紙に
少しずつ、少しずつ色をのせていきます。

こんなに大きな紙の上に、こんなに繊細に描いていって
一体いつ描き終わるのか?
そんな不安など、彼にはないのでしょう。
筆先は、屋久島のあの森とつながっている。
そんな感じがしました。

やがて、
神秘の空気をまとった屋久杉が、そこに姿を現します。

屋久島で1ヶ月、巨樹と向き合ったからこそ
感じとることのできた「空気」までをも
西田さんは絵の中に出現させたのです。

一心に対象と向き合って命を吹き込まれた芸術は
本当に素晴らしいです。

ちなみに、この「三穂野杉」の絵は、
「不死鳥」という作品の一部でしかないらしい。
その「不死鳥」という作品、
完成すれば全長90メートルにも達するそうです。
サグラダファミリアのような絵、ということでしょうか。
壮大すぎます。

最近、あまり美術館に行っていません。
反省、反省。

【西田俊英氏のインスタグラム】

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