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Q.12 「後見」はなぜ黒装束じゃなくて顔出しなの?

昨日は黒衣さんのことを書きました。
でも、舞台上で役者さんを補助する人で、黒装束でなく、紋付袴の人がいますよね。
同じような役割のように見えるけれど、なぜ衣裳が異なるのか?

本日のギモン:「後見」と「黒衣」、どこが違うの?

後見(こうけん)と黒衣(くろご)は、歌舞伎ではいずれも補佐をする役なので、「歌舞伎用語案内」によれば、「黒衣も後見の一種」とされています。
ただ、能・狂言の世界では、後見は非常に重いお役です。もしも演者が怪我や急病などで演技を続行できない状態になった場合、後見は演者に代わって続きを務めることが決まっています。
つまり、演者と同等あるいはそれ以上の技量と知識が求められるのです。
歌舞伎でも、「松羽目物(まつばめもの)」といって、能や狂言に題材をとった作品では、黒衣ではなく後見がつくのは、こうした経緯があるからではないでしょうか。

本日のお答え:「後見」はもともと、「万が一の時は代役を務める」ほどの技量が求められていた

歌舞伎では、後見は演者のことをよく知るお弟子さんが務めます。「この人じゃないとあたしの後見は務まらない」などとおっしゃる役者さんは多いです。また、御曹司の初舞台や初役の時は、先代、先々代の後見も務めたようなベテランのお弟子さんが後見につくことがありますが、そのお役のことは何でもわかっているでしょうから、その意味では「演者と同等あるいはそれ以上」の後見ということになるかもしれませんね。

本日のまとめ:

1.「後見」と「黒衣」は、歌舞伎ではその役割はほとんど変わらない。
2.能楽の世界では、「後見」とは単なる補助ではなく、演者の代役のできる人が務める。
3.歌舞伎でも、松羽目物では「後見」の恰好で補助をすることが多い。
4.歌舞伎の後見は、演者のことをよく知るお弟子さんが務めることが多い。

 

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